確定申告の控除対象となる医療費とは
※2012年9月時点の税制をもとに改訂しています。
本人や家族の医療費で最高200万円
今年入院をして高額の医療費を支払ったのですが、医療費がたくさんかかった場合、所得税の確定申告で控除できると聞きました。それはどのようなものでしょうか。詳しく教えてください。
自分や家族のために医療費を支払った場合、確定申告の際にそのうちの一定額を所得から差し引くことがあります。これを医療費控除といいます。この制度は要件さえ満たしていれば誰でも受けることができる制度です。確定申告も近づいてきましたので、今回はこの医療費について詳しく解説していきたいと思います。
1. 医療費控除とは
自分や家族のために一定額以上の医療費を支払った場合、確定申告の際にそのうちの一定額を所得から差し引くことができます。これを医療費控除といいます。医療費をたくさん支払った人はその分、税金を負担する力が減ってしまいます。これを補うというのが医療費控除制度の趣旨となっています。
ただし、支払った医療費が全て控除の対象となるわけではありません。
また、この医療費控除を受けるためには当然、申告という手続きを踏まなければなりません。
2. 医療費控除の要件
医療費控除の要件は次の通りです。
1.納税者本人・納税者と生計を一にする配偶者や、その他の親戚のために支払った医療費であること。
他人のために医療費を支払うということはないかと思いますが、誰のために支払った医療費でも控除の対象となるわけではありません。
2.その年の1月1日から12月31日までに支払った医療費であること。
3. 医療費控除の対象金額
医療費控除の対象となる金額は、次の算式によって求められます。ただし、200万円が控除の上限とされています。
(実際に支払った医療費の合計額-医療費の補填金額※1)
-10万円 と 所得金額の合計額の5%とのいずれか小さい方の金額
=医療費控除対象額(ただし最高200万円)
※1医療費の補填金額…保険金などで補填される部分は、かかった医療費から差し引かなければなりません。
例えば、生命保険会社等から支給される入院費給付金や、健康保険会社から支給される出産一時金や医療費等がこれにあたります。
4. 医療費控除の対象となる医療費
控除の対象となる医療費とは、原則として疾病の治療に関する費用のことで、健康維持や美容のための費用は医療費には該当しません。
〈医療費控除の対象とされるのは次の通りです。〉
- 診療・治療の為の費用
- 入院の際の部屋代
- 医療用器具等の購入費用
- 医師の治療を受けるためのめがね、自己の日常の生活最低限の用を足すための義手・義歯の購入費
- 治療のための医薬品の購入費用
- 通院のための電車、バス、タクシーの利用料金
(領収書が無い場合は、メモ書きでも良い)
〈医療費控除の対象とならないものは次の通りです。〉
- 医師等に支払う謝礼金・健康診断(人間ドッグ)のための費用※、美容整形手術の費用
※原則として人間ドッグや健康診断のための費用は、控除の対象とはなりませんが、健康診断の結果、重い病気だと判断され、引き続きその疾病の治療を受けた場合には、控除の対象に含めることができます - 自己都合による差額ベッド代
- 近(遠)視のめがねの購入費、老齢者の補聴器の購入費、かつらの購入費
- 疾病予防、健康増進のための医薬品の購入費
- 通院のための自家用車のガソリン代等、分娩のための実家への帰省費用
5. 控除を受けるための手続きの方法
この控除を受ける場合には、医療費の支出を証明するため、 医師などの領収書等を確定申告書に添付するか提示しなければなりません。
また、医療費の明細書(内訳書)も添付することになります。
関連リンク
無料相談は各事務所で実施しております。
お気軽にお問い合わせ下さい。
(平 日)9時00分~18時00分 (土 曜)9時00分~18時00分
(日・祝)10時00分~17時00分 ※一部例外日あり